金仏壇について

仏壇には大きく分けて、「金仏壇」「唐木仏壇」「上置仏壇」「家具調仏壇」などがあり、金仏壇は白木に漆を塗り、金箔や金粉で装飾されていて「塗仏壇」とも呼ばれます。

蒔絵や彫刻・錺金具などの日本の伝統工芸の技法が集約されていて、その豪華さが特徴で、特に浄土真宗では金仏壇が推奨されています。

経済産業大臣によって伝統工芸品に指定されている金仏壇の産地は、山形仏壇、新潟・白根仏壇、三条仏壇、長岡仏壇、飯山仏壇、三河仏壇、名古屋仏壇、金沢仏壇、七尾仏壇、彦根仏壇、京仏壇、大阪仏壇、広島仏壇、八女福島仏壇、川辺仏壇の15カ所で、それ以外にも県知事によって伝統工芸品産地に指定されている産地など、たくさんの産地があります。

 

製造工程

 

金仏壇は製造工程が細分化されており、木地、塗り、金箔押しの他、それぞれに高度な技術をもった専門の職人がいて、一枚の板から仏壇ができるまで3か月くらいかかります。それぞれの職人がその技術を継承することで、伝統工芸品としての価値を持つわけです。

 

木地製作

 

仏壇造りはまず初めに仏壇の木地を造り仮組みを行います。その際のポイントは漆を塗った時の厚みを計算に入れることが重要で、木地を製作する職人を「木地師」といいます。

 

 

下地塗り

 

仮組みされた仏壇は漆を塗る面を整えるために一度全部ばらして下地塗りをします。これは漆の密着度を高めるために行われ、仕上がりに影響を与える重要な工程で、伝統技法では膠地・砥の粉地・堅地があります。

 

漆塗り

 

下地塗りが行われた部品にハケで漆を塗ります。漆を塗った後は、天然の室(むろ)で乾燥させます。漆の乾燥には湿度と温度が必要で25~30度で湿度80%に保ち、約2日間かけて乾燥させます。乾燥したものは研いで表面をきれいにし、再び漆を塗るという工程を数回繰り返します。

 

金箔・金粉

 

漆塗りが仕上がると、金箔や金粉を装飾します。金箔や金粉は仕上げ具合によってピカピカと光ったり、落ち着いた仕上げにしたりとお客様の好みによって仕上げます。

蒔絵

 

蒔絵は伝統的には高蒔絵・平蒔絵・研出蒔絵があり、漆を使って蒔絵専用の筆で絵師さんが文様を描きます。非常に繊細な技術が要求されます。

彫刻

 

柱の飾りや欄間、障子の腰などに数十種類のノミを使い分けて彫り師さんが彫り上げます。やり直しのきかない工程なので高い技術と集中力が必要です。

組立

組み上げられた仏壇は、伝統的な鏨(たがね)を使った手打ち金具を補強や装飾の意味で用います。

 

 

このようにひとつの金仏壇が出来上がるまでには、たくさんの労力と技術が詰め込まれています。