輪灯

輪灯(りんとう)とは、浄土真宗において灯明を供えるために用いられる仏具です。

灯明とは、神仏に供える灯火のことで、仏教においては無明を照らす智慧の光とされ重要な供養の一つとされています。灯明は古くは油をともす油皿が使われていましたが、現在ではろうそくのものや火災予防の観点から電球によるものが多くなっています。

輪灯は真鍮製で油煙よけの傘を付けた吊り具に、油皿に輪を付けて吊り下げられるようになっており、仏壇の天井から一対吊り下げて使用します。

 

 

輪灯の輪の形は宗派によって違います。真宗大谷派では、油皿をのせる皿に輪が付いただけのシンプルなものを使用します。シンプルがゆえに輪灯を瓔珞で覆うように飾って使うことが多いようです。

 

輪灯(真宗大谷派用)

 

浄土真宗本願寺派では、輪と皿に菊の花の装飾が施された菊輪灯を使用します。

その他、高田派は「桐輪灯」、仏光寺派は「藤輪灯」といわれる輪と皿に装飾が入っている輪灯を使用します。

菊輪灯(浄土真宗本願寺派)

 

大谷派以外の宗派では相吊(間吊)といわれる装飾された吊金具が輪灯本体と傘の部分の間に入ります。