臨済宗・曹洞宗 食事の前や仏壇にご飯をお供えする際にご飯粒を数粒ならべるのはなぜ?

生飯

 

臨済宗や曹洞宗などの禅宗では、食事をする前やお仏壇にご飯をお供えする際に、ご飯粒を数粒とって卓の上にお供えをする、という作法があります。

これは生飯(さば)といい餓鬼道に落ちた餓鬼に施すための飯でもともとは中国語の「さんぱん」が訛ったものと言われています。

生飯は食事ができることへの感謝の気持ちと、飢えに苦しむものに対する思いやりの心を持つための作法で、お布施の一種でもあります。

 

 

生飯の作法

 

生飯を行う際の作法は、食事の前にご飯粒を数粒(3粒もしくは7粒が多い)右手の親指と薬指でつまみ(お箸を使用する場合も)、左手の掌を上に向けて、その上で三回ほどご飯粒を回してから食卓の上にお供えします。

 

 

 

食事後、並べたご飯粒は生飯器にまとめて回収されて外にお供えされ鳥のエサになるので一粒も無駄になることはありません。

 

生飯は、現在の日本人が忘れかけている施しの精神を思い出させてくれる素晴らしい行いですね。