天山石とは?

天山石とは?

 

天山石とは、佐賀県唐津市で採掘される石のことで、天山御影(てんざんみかげ)、鍋島御影(なべしまみかげ)とも呼ばれています。

 

天山石の歴史

 

天山石の産地である佐賀県唐津市の旧七山村の近く小城市牛津町の砥川には、古くから「砥川石工」と呼ばれる石工の集団が石の加工品の製造販売を行い、その名は広く世に知られていました。江戸時代の初期には平川与四衛門という石工名人が現れ、平川与四衛門による作品は、現在でも佐賀県内を中心に九州全域に残されています。彼らは素材となる石を七山で採掘し、入手していました。

また、同じく江戸時代の初期に建てられた唐津城の石垣も天山石が使用されたとされています。九州地方では古くから使用されてきた天山石は、昭和40年代に入って本格的に採掘されはじめ、関西圏を中心に墓石材として人気となり、現在では中部地方や関東地方でも幅広く使用されるようになっています。

 

  唐津城

 

 

天山石の特徴

 

天山石は深い青味がかった花崗閃緑岩で、国産の石材ではトップクラスの硬さと吸水率(0.09%)の低さを誇っており、経年劣化が少なく最高級石材の一つとして評価され、墓石にも非常に適した石材です。

天山石はその特徴である青味の深さ、色目の濃さがより強く出ているものほど高品質とされており、その中でも1級クラスの「銀剛」や、特級クラスの「紺碧」と呼ばれるものは、採掘元によって厳選され、管理・流通しています。

 

 

 

天山石 銀剛

 

 

天山石 紺碧

 

「銀剛」と「紺碧」は石の硬度や吸水率などの素材の質はほとんど変わらないですが、写真でもわかるように「紺碧」は「銀剛」に比べてより色目も濃く、青味が深い極上の色彩を放っています。石のちがいなど素人にはわからないものと思われがちですが、天山石で建てたお墓は、他のものと違って一目瞭然でわかる美しさを放っています。