北木石とは?

北木石とは?

 

北木石とは、岡山県笠岡市北木島で採掘される石のことで、大阪城の石垣、靖国神社大鳥居、三越本店などの様々な歴史的建造物に使用されています。またお寺でも真宗大谷派の本山である大谷本廟の境内にある石灯篭や、最近では2013年に建仁寺に建てられた石塔も北木石が使われています。

墓石としても人気が高く、豊臣秀吉、東郷平八郎、吉田茂、夏目漱石、江戸川乱歩、川端康成など著名人の墓石に使用されています。

 

    夏目漱石の墓

 

 

北木石の歴史

 

北木石が本格的に採掘されるようになったのは江戸時代の初期のころ、江戸幕府と豊臣家の対立によって起こった大坂冬の陣・大坂夏の陣で廃墟同然となった大阪城を再築するために大量の石垣石が切り出されたのがはじまりとされており、採掘が本格化したのは明治時代の日本銀行本店に使用されたのがきっかけに墓石や有名歴史的建築物に使用されるようになっていきます。

 

    日本銀行本店

 

 

北木石の特徴

 

北木石は、白色を主とした花崗岩で中目・瀬戸白・瀬戸赤・サビ石の4種類がありますが、現在では白色系の「中目」と淡い赤色系の「瀬戸赤」のみ採掘されています。

 

 

 

 中目

 

北木島は島全体が花崗岩でできており、断層によって大きな塊として誕生し、マグマにかかる力が均等していたために、石の目が均一でよく通っているので、10メートル以上の長尺材を切り出すことができ、独特の光沢と石の硬度が高いにもかかわらず粘りがあるので、加工しやすいといった特徴があります。

また北木石は吸水率が低く、経年劣化も少ないので墓石として根強い人気があります。