僧侶が頭を剃るのはなぜ?お坊さんが坊主頭にする理由

宗派によって違いはありますが、僧侶の人は頭をツルツルに剃っていわゆる「坊主頭」にしていますが、なぜ僧侶は髪の毛を剃り落としてしまうのでしょう?

 

僧侶が髪を剃る理由

 

僧侶が髪の毛を剃る行為を「剃髪」といいます。

仏教の最終目標は俗世間の苦しみや煩悩から解放されることで、放っておいても生えてくる髪の毛は消そうとしても消せない煩悩の象徴であり、剃髪をすることは煩悩を打ち消すことの第一歩だと考えられていたからです。髪の毛が生えていると髪型が気になったりしますし、また髪の毛を伸ばしていると薄毛などで悩むこともあります。

これらは修行するにあたって邪魔になるので煩悩を断ち切るために髪の毛を剃っていたわけですね。

 

 

 

剃髪をしない僧侶

 

では、すべての僧侶が坊主頭にしているか?というと、そういうわけではありません。

浄土真宗の僧侶は髪の毛を伸ばしていることが一般的ですが、これは浄土真宗の教えに基づいているとされています。それまでの仏教は「戒律を守り、厳しい修行をしなければ人は救われない」とされていました。

しかし浄土真宗では「阿弥陀如来は大変慈悲深い仏さまで、念仏を唱えさえすれば誰でも救ってくださる」という教えなので、剃髪をする必要もないわけです。実際、開祖である親鸞聖人も髪の毛を伸ばしていたといわれていますし、浄土真宗ではそれまでの仏教で禁止されていた肉食や妻帯も認められていました。

 

 

ただし、浄土真宗においても「帰敬式(ききょうしき)」と呼ばれる門徒になる儀式の際には、髪を剃り落とす僧侶の方もいらっしゃいますが、現在では髪を剃り落とさずに髪の毛に刃を3度あてるだけで済ますことが一般的であり、帰敬式を行うことによって仏さまの教えに向き合う覚悟をします。

 

宗派によって剃髪に対する考え方も様々なようですね。