仏教の八大聖地

仏教にはお釈迦さまにまつわる様々な聖地がありますが、その中でも特に重要な8つの聖地のことを八大聖地と呼んでいます。

 

ルンビニ

 

現在のネパール南部にある小さな村で、お釈迦さまの生まれたとされる地です。

お釈迦さまの母親であるマーヤ夫人がお産のために実家に帰る途中に立ち寄ったルンビニの花園でお釈迦さまを出産したとと言われており、お釈迦さまが産湯につかったとされる池が遺跡として世界遺産に登録されています。

 

 産湯につかったとされる池:Wikipedia

 

ブッダガヤ

 

インド東部、ビハール州にあるお釈迦さまが悟りを開いた地で、仏教では最高の聖地とされています。

中心部には大菩提寺があり、本堂である52mの大塔、お釈迦さまが悟りを開いたときに座っていた金剛宝座や、悟りを開いたときに陰にいたとされている菩提樹などが見所です。

 

 菩提樹

 

サールナート

 

インドのウッタル・プラデーシュ州にある地で、お釈迦さまが悟りを開いたあとに、鹿が多く住む林(鹿野苑(ろくやおん))の中で初めて教えを説いた初転法輪のゆかりの地とされています。

ちなみに京都の金閣寺の正式名称は「鹿苑寺」といいますが、これは足利義満の法名である鹿苑院にちなんで名付けられましたが、この「鹿苑」という言葉は鹿野苑から来たものだそうです。

 

ラージャグリハ

 

ガンジス川中流域に位置する古代インドのマガダ国の首都で、お釈迦さまが説法を行った地の一つです。仏教が布教された町として有名で、お釈迦さまが最も長くとどまった場所といわれています。

 

サヘート・マヘート

 

インドのニューデリーから東に600kmのネパール国境近くの遺跡群をまとめた呼び名です。

サヘートは仏教の経典では釈迦の説法で「祇樹給孤独園」と訳されており、略称は平家物語の冒頭で有名な「祇園精舎」として日本でも広く知られています。

 

 

ヴァイシャリ

 

古代インドの十六大国の1つヴァッジ国内にあった商業都市で、お釈迦さまが最後に旅した土地とされています。仏教僧団を意味する「サンガ」という言葉は元々この地域で発生した商工業者の同業組合を意味する言葉で、その仕組みを仏教教団が採用したといわれています。

 

クシナガラ

 

古代インドのガナ・サンガ国であったマッラ国の二大中心地のひとつで西の中心地であり、お釈迦さまの入滅の地とされています。死期を悟った釈尊は霊鷲山から生まれ故郷に向う途中にこの地で亡くなられました。鍛冶屋の子である純陀(チュンダ)の供養したキノコ料理を食べて激しい下痢を起こしたのが原因といわれています。

 

 

クシナガラの涅槃仏

 

サンカーシャ

 

インドのウッタル・プラデーシュ州アーグラの東にあり、お釈迦さまが亡き母であるマーヤ様の為に彼女の住む天界の第三十二天・刀利天に昇天して説法をし、降りてきた所だと言われています。

なお、八大聖地の中でここだけが、伝説に基づいた聖地となっています。