我慢とは?~身近な仏教用語~

我慢

 

あの人はとても我慢強い、などのように我慢は「忍耐・辛抱」などの意味で使用されていますが、仏教において我慢とは「自分を高くみて、他人を軽んじる心」を意味していました。

 

 

 

 

七慢

 

仏教においておごり高ぶる心の状態を表す状態を七つに分けたものを「七慢」といい我慢はそのひとつです。

 

1.慢(まん)

自分より劣っている人に対しては自分のほうが優れているとうぬぼれ、同等の人には自分と等しいと心を高ぶらせる心。

 

2.過慢(かまん)

自分と同等の人に対して自分の方が優れている思い、自分以上の人は自分と同等とする心。

 

3.慢過慢(まんかまん)

優れている人を見て自分はもっと優れている、とうぬぼれる心。

 

4.我慢(がまん)

自負心が強く、他人を軽んじる心。

 

5.増上慢(ぞうじょうまん)

悟っていないのに悟ったと思い、得ていないのに得たと思い、おごりたかぶる心。

 

6.卑慢(ひまん)

非常に優れている人を見て自分は劣っている、と思う心

 

7.邪慢(じゃまん)

間違った行いをしても正しいことをしたと言い張り、徳が無いのに有ると思う心。

 

 

これが「自尊心が強い」→「負けん気が強い」→「頑張る」→「忍耐強い」と変化し、現在の我慢の意味である耐えること、辛抱することの意味になったとされていますが、あまりいい意味ではない仏教用語が、肯定的な意味に変化したのはめずらしい事例ですね。