具足

具足とは、日本の甲冑や鎧・兜の別称で、頭胴手足各部を守る装備が「具足(十分に備わっている)」との言葉からきています。甲冑を具足と呼ぶのは鎌倉時代以降といわれていますが、いわゆる当世具足のことを指すとされています。

当世具足:武田信玄写

 

三具足・五具足

 

具足とは道具の意味があり、仏具における具足とは「三具足(みつぐそく・さんぐそく)」「五具足(ごぐそく)」のことをいいます。

三具足とは、花立、香炉、燭台のことで仏前にご本尊に向かって右に花立、真ん中に香炉、右に燭台を置きます。五具足の場合は香炉を真ん中に燭台を一対、花立をその外側に一対置き、左右対称の形になります。

三具足

 

五具足

 

浄土真宗の三具足

浄土真宗では平時は三具足で荘厳し、報恩講や御遷仏法要などの特別な日にのみ五具足で荘厳します。

 

花瓶

 

また、浄土真宗では花立のことを花瓶(かひん)と呼び、荘厳する際は、鰭を正面に向け、牡丹紋が外側に八藤紋は内側になるように置くのが正式な作法とされています。

 

燭台

 

浄土真宗本願寺派では、焼き色をつけた燭台を用います。真宗大谷派・真宗仏光寺派・真宗高田派では鶴亀燭台(亀の上に鶴が乗った形)を用いますが、各派で形状は異なります。

また、五具足の場合、真宗大谷派の燭台は、右鶴の嘴は開き、左鶴は閉じており荘厳の際に注意が必要です。

五具足:真宗大谷派