浄土宗 五重相伝とは?

五重相伝

 

五重相伝(ごじゅうそうでん)とは浄土宗においてもっとも重要な教えを伝える法要です。

元来は出家のためのもので、五重相伝を受けることにより、浄土の信仰や念仏を唱える意味を理解し、仏教徒としての生き方を深めることができます。

五重相伝は、浄土宗の教えの真髄を初重(しょじゅう)から第五重(だいごじゅう)の五段階に分けて相伝するもので、5日間にわたって行われます。その内容は、

 

初重(しょじゅう)

法然上人が作ったとされる「往生記」1巻により「機」について相伝

 

二重(にじゅう)

浄土真宗第二祖 聖光上人(弁阿)の「末代念仏授手印」1巻により「法」について相伝

 

三重(さんじゅう)

浄土宗第三祖 良忠上人(然阿良忠)の『領解末代念仏授手印鈔』1巻により「解」について相伝

 

四重(しじゅう)

良忠上人『決答授手印疑問鈔』2巻により「証」について相伝

 

第五重(だいごじゅう)

曇鸞大師『往生論註』に説くお十念について相伝

 

 

 

五重相伝を受けた方は正式な仏弟子となります。そして、お釈迦様から法然上人を経て、脈々と受け継がれてきたお念仏の教えを受け取った証として伝巻(血脈)が本山から授与されます。その際、法号として誉号と戒名が、更に位号としての禅定門・禅定尼が授けられます。

浄土宗の檀信徒にとっては大変名誉なことで、あの徳川家康も五重相伝を受けたそうです。