成道会(じょうどうえ)・臘八会(ろうはちえ) 12月の仏事

お釈迦さまは29歳で出家し厳しい修行を行いましたが、苦行だけでは悟りを開くことができず、6年もの月日を過ごします。

やがて苦行をやめたお釈迦さまは35歳の時、ブッダガヤの地で菩提樹の木の下で瞑想に入り、1週間後、悟りを開いて仏陀となりました。

 

 

日本ではお釈迦様が悟りを開いたのは臘月(旧暦12月)の8日と言い伝えられていますが、成道会(じょうどうえ)・臘八会(ろうはちえ)とは、毎年12月8日にお釈迦さまが悟りを開いたことを記念して行われる法要のことで、灌仏会・涅槃会と並んで仏教の三大法要とされています。

 

臘八接心

 

禅宗では、お釈迦の降魔成道(=悟りを開く)を記念して旧暦12月1日から8日にかけて、昼夜を通して不眠不休で座禅を実施する寺院があります。これは「臘八接心」(ろうはちせっしん)と呼ばれており、近年は実施するお寺でも日数を短縮する傾向がありますが、最終日を臘八会に合わせます。

 

温糟粥(うんぞうがゆ)

 

12月8日の夜、禅宗のお寺では温糟粥(うんぞうがゆ)・臘八粥(ろうはちがゆ)とよばれる酒粕と味噌で造ったおかゆを食べます。

これは、断食などの苦行によって骨と皮のみにやせ細った肉体になったお釈迦さまが、ブッダガヤの地で村娘のスジャータから乳粥の施しを受けて体力を回復させて、悟りを開いたことにちなんでいるからです。

 

 

一般の人にはあまり馴染みのない日かもしれませんが、仏教徒にとってお釈迦さまが悟りを開いた日は、自分自身の内なるものを見つめ直す重要な機会となっています。