仏壇・仏具の伝統工芸士とはどんな人たち?
伝統工芸士
伝統工芸士とは、経済産業大臣指定の伝統的工芸品の製造に従事されている技術者の中で、高度の技術・技法を保持する人のことで、認定は一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会が行っています。
仏壇職人
大阪仏壇や京仏壇などの金仏壇は伝統工芸品として認定されており、製造において高度な技術が必要とされます。金仏壇は製造工程において、分業化されておりそれぞれの部門で認定された伝統工芸士がいます。
木地師(きじし)
木地師は木材を加工して、仏壇の筐体を作る職人です。仏壇は宗派ごとに違いがあるので、それぞれの宗派に合った形式のものを製造します。
彫師(ほりし)
木地師が作った筐体に彫刻を彫っていく人です。仏壇においては欄間の部分の彫刻がわかりやすいかと思います。
塗師(ぬし)
木地師が作ったものに漆を塗る職人さんのことです。組んだ仏壇の木地を一度解体し、パーツごとに仕上げていきます。まず木地に半田地(はんだじ)、堅地(かたじ) と呼ばれる下地を入念に施し、 中塗り、研ぎを繰り返し、上塗りをします。 特に重要な作業が下地部分で塗の善し悪しがここで決まります。最後の仕上げは金箔・漆か・蝋色などによって上塗りの処理が変わります。
漆は適度な温度と湿度がないと乾かないので、「室(むろ)」と よばれる適温湿状態の場所に入れて漆の乾燥具合を調整します。
錺師(かざりし)
仏壇に施す装飾金具を作る職人さんです。銅や真鍮などを加工しメッキ処理を行う、金属加工技術のプロです。
箔押師(はくおしし)
塗師が仕上げたものに金箔を押す職人さんです。ちなみに金箔を貼ることを押すといいます。金箔は漆を接着剤として押していきます。
彩色師(さいしきし)
彩色師は仏壇や仏具の上に絵を描いたり、色を付けていく職人さんです。彩色には、木地に白塗りを施し、その上にはっきりした色を出す極彩色、金箔の上に色を付ける金彩色、木地の上に色を付ける木地彩色があります。
蒔絵師(まきえし)
蒔絵とは、漆塗りの面に漆で絵や文様・文字などを描き、それが乾かないうちに金粉や銀粉などの金属粉を「蒔く」ことで面に定着させる技法のことで、この蒔絵を描くのが蒔絵師で、蒔絵には漆工芸の技法が集約されているといっても過言ではありません。