華瓶(けびょう)

華瓶とは浄土真宗で用いる真鍮製または金銅製の壺型の仏具で、水を入れて樒(しきみ)を挿して香水(こうずい)としてお供えします。

 

華瓶を供える意味

 

樒は抹香の原料になっている香木のひとつです。本来は青蓮華を用いるのですが、日本では青蓮華の入手が困難なので、樒を代用したとされています。

浄土真宗の考え方では、「仏さまのおられる極楽浄土は清らかな水(八功徳水)があふれ、喉が渇くことはありえない」とされており、華瓶に水を入れてお供えするのは仏さまに飲んでいたただくためではなく、あくまで香水としてお供えしています。

そして、樒を挿すことで極楽浄土の清らかな水を表しています。

*イメージです

 

華瓶をお供えする際は一対で樒を挿して、火舎香炉(かしゃごうろ)・ご飯を盛った仏器とともに上卓(うわじょく)にお供えします。

樒がない場合は、青木でも構いませんが、色花や造花は使用しません。また、華瓶がなければあえてお供えする必要のない宗派もあります。