須弥壇(しゅみだん)とは?
須弥壇とは?
前回のコラムで、「仏壇とは一般家庭において仏像や位牌を安置する祭壇である。」と書きましたが、広い意味では、寺院や仏堂において仏像を安置する台(壇)のことも含まれており、いわゆる須弥壇(しゅみだん)のことをいいます。
須弥山(しゅみせん)
須弥壇は、須弥山(しゅみせん)をかたどったといわれています。
須弥山とは古代インドの世界観の中で中心にそびえる聖なる山のことで、
古代インドの言葉であるサンスクリット語(梵語)でスメール山、
「西遊記」でおなじみの玄奘三蔵法師は妙高山と訳しました。
新潟県の妙高山はここからとったそうです。
須弥山の頂上にはインドラ(帝釈天)をはじめとする神様が住む世界があります。
(参照:Wikipedia)
四天王
須弥山の周囲を太陽と月が神格化された日天と月天が回っており、中腹には四人の神様が住んでいます。
それぞれ、持国天(じこくてん)、広目天(こうもくてん)、増長天(ぞうちょうてん)、多聞天(たもんてん)といい四人にちなんで一つの方面で優れた四人組のことを「四天王」と呼ぶようになりました。
この世界観は仏教とともに日本に伝わりました。仏教の宇宙論では、世界は三つの円盤が重なり、須弥山を中心として九つの山と八つの海があり(九山八海)、その外側に四つの島(四大洲)があります。これが一つの世界で、小世界と呼ばれています。
ちなみに人間は4つの島のうち、南にある贍部洲(せんぶしゅう)に住んでいるとされています。
金輪際
三つの円盤の一番上を金輪といいます。金輪の下の部分を「金輪際(こんりんざい)」といい、世界の果てという意味が転じて、現在の「とことんまで」「徹底的」という意味で使われるようになりました。
さて須弥山をかたどって造られた須弥壇ですが、形状は多くが四角形で、中には八角形や円形のものもあります。古くは土製や石製の比較的簡素なものでしたが、平安時代以降木製に変わっていき、美しい飾りつけがされるようになっていきました。
例えば中尊寺金色堂の須弥壇などはとても豪華で、当時の技術をを極めたまさに日本の国宝といった感じです。
なお動画でもアップしておりますので、よろしければこちらもご覧ください。