仏像 その2(菩薩)

仏像 その1からの続き

 

菩薩(ぼさつ)

菩薩とは、如来になろうとして修業を積む人のことです。

悟りを求めて修行中ではありますが、人々とともに歩み、教えを導くということでのちに庶民の信仰の対象になっていきました。

観音菩薩(かんのんぼさつ)

観音菩薩は一般的に観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)の略号とされていて「観音経」などに基づいて広く信仰・礼拝の対象になっており、日本では飛鳥時代から造像されていて現世利益と結びつけられて、時代・地域を問わず広く信仰されています。

京都の三十三間堂には1001体の千手観音像があり、その圧巻の光景は一度は見る価値ありです。

 

地蔵菩薩(じぞうぼさつ)

一般的に親しみを込めて「お地蔵さん」「お地蔵様」と呼ばれている地蔵菩薩は、大地が全ての命を育む力を蔵するように、苦悩する人々をその無限の慈悲の心で包み込んで救う所から名付けられたとされています。日本の民間信仰において道祖神としての性格を持つとともに「子供の守り神」として信じられていて、よく子供が喜ぶお菓子がお供えされています。

地蔵菩薩はお釈迦様の死後、56億7000万年後に弥勒菩薩が出現するまでの間、現世に仏が不在になってしまうためにその間、六道(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道)を輪廻する全ての生き物を救う菩薩であるとされています。

一休さんのモデルである一休禅師の生まれた家があり、一休禅師が6歳まで修養の場としていた寺である京都の地蔵院は、竹の寺といわれるとても趣のある寺です。

現在、方丈内は撮影禁止になっているのですが、ぜひご自身で足を運んでみてください。

 

 

普賢菩薩(ふげんぼさつ)

普賢菩薩は、大乗仏教における崇拝の対象である菩薩の一尊です。

梵名の「サマンタ・パドラ」は「普く賢い者」を意味しており、世界にあまねく現れ仏の慈悲と理知を顕して人々を救う賢者であることを意味します。

平安中期以降、女性の救済を説く法華経の普及によって女性からの信仰を集めました。

文殊菩薩とともに釈迦如来の脇侍として祀られることが多いですが、独尊としては蓮華座を乗せた象の上に結跏趺坐(けっかふざ=ヨガで瞑想するときの座り方)して合掌する姿で描かれることが多いです。

文殊菩薩(もんじゅぼさつ)

文殊菩薩は、実在のモデルがいるとされている菩薩で、「3人よれば文殊の知恵」という言葉があるように智恵を象徴し、学業成就の菩薩として知られています。普賢菩薩とともに釈迦如来の脇侍として祀られることが多く、独尊は青い獅子の上に乗っていることが多いです。

奈良にある安倍文殊院の渡海文殊は鎌倉時代に有名な仏師「快慶」によって造られたもので、文殊菩薩像と四人の脇侍のバランスがとてもカッコイイです。

 

弥勒菩薩(みろくぼさつ)

弥勒菩薩はお釈迦様の次に仏になることを約束された菩薩であり、お釈迦様の入滅から56億7000万年後の未来に如来となって現れ、すべての人々を救済するとされています。

京都の広隆寺にある木造弥勒菩薩半跏像は、日本の国宝第1号で右手を頬にそえて思索にふけっていて、かすかに微笑んだ姿がとても美しいです。

 

 

なお動画で説明したものもありますので、よろしければこちらもご覧ください。