火の車・劫火とは?~身近な仏教用語~

火の車

 

仏教において、人が亡くなると生前の行い(カルマ)によって六道(天道・人道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道)のどれかに生まれ変わり、その中で大いなる罪悪を犯した者は、最下層である地獄に生まれ変わるとされています。

地獄に落ちた者は火車(かしゃ)と呼ばれる火が燃え盛った車に乗せられて地獄へ運ばれ、極卒の鬼からひどい責め苦を負わされることになります。

火の車とはこの火車を訓読みにしたもので、火車に乗せられた者はひどい苦しみを味わうことから経済状態・家計が苦しいことを意味するようになりました。

 

 

 

劫火(ごうか)

 

仏教において、世界は成立から無に至るまで4つの期間に分類されています。

 

1.成劫(じょうごう)

 

山河,大地,草木などの自然界と生き物とが成立する期間で、人間の寿命が8万 4000歳のときから 100年ごとに1歳ずつ減少していって寿命が 10歳になるまでの期間を1減とし、10歳のときから 100年ごとに1歳ずつ増加していって8万 4000歳となるまでの期間を1増といい、20増減あります。

 

2.住劫(じゅうこう)

 

自然界と生き物が最も安定する時期のことで、20増減あります。

 

3.壊劫(えこう)

 

生き物が破壊消滅し、次に自然が破壊されていく期間のことで、20増減あります。

 

4.空劫(くうこう)

 

破壊しつくされて何もなくなってしまった期間で、20増減あります。

 

 

 

劫火(ごうか)とは壊劫の終末に起こり、世界を焼き尽くしてしまう大火のことをいいます。

 

 

 

火に関する仏教用語って、あまり良いイメージのものがないような。。。