浄土真宗のおみがきの方法(仏具磨き)

浄土真宗では年に1回(お寺によっては数回)、報恩講の前に1年間の感謝の気持ちを込めて、お寺の仏具のおみがきを行います。

真鍮製の仏具は時間とともに表面が酸化し「さび」が発生し、またろうそくの「すす」がこびりついてしまいますが、これらの汚れはおみがきをすることによってピカピカになります。

 

 

おみがきの方法

 

まずは仏具を1カ所に集めます。床面を傷つけないように新聞紙等を敷いてその上に置きます。

 

 

 

 

仏具を運ぶときはしっかりと両手を添えて下から持つようにし、彫物の部分は壊れやすいのでなるべく触れないようにしてください。

 

 

 

 

仏具の洗浄

 

次に水を張ったタライを2つ用意し、片方のタライに錆取り洗浄剤「ニューテガール」を20~30倍希釈で投入し、良く撹拌します。

 

 

ニューテガール

 

 

 

 

 

仏具をテガール溶液の入ったタライに浸します。汚れの少ない仏具は数十秒浸けるだけきれいになりますが、汚れがひどい仏具は少し長めに浸します。ただし浸け過ぎると仏具を傷める恐れがあるので、長くとも数分以内にしてください。

仏器などの彫の無い仏具はスポンジで軽くこすってください。彫の深い仏具は、彫物の溝の部分を歯ブラシ等でこすってきれいにします。

なお作業時には手荒れを防ぐために手袋を着用するのが望ましいです。

 

 

 

 

 

燭台のろうそくを立てる部分にろうがこびりついて取れない場合は、つまようじなどの先端の尖ったものでろうをしっかりとこそぎ取ってください。

 

 

 

すすぎと乾燥

 

洗浄した仏具は、もう一方のタライに入れてしっかりとすすぎ、洗剤を洗い流します。成分が残ってしまうと、仕上がりが悪くなるので、念入りに洗い流してください。すすぎ用の水はまめに交換するか、ホースでゆるく水を出し放しにした状態で作業を行ってください。

 

 

 

 

洗い終わった仏具は、タオル等でしっかりと水分を拭きとり乾燥させます。

 

 

研磨剤による仕上げ

 

完全に乾燥させた仏具にアルボン(金属研磨剤)を使用して仕上げみがきを行います。アルボンは布切れに薄く引き伸ばして使用してください。広げた布にアルボンを付けて内側に4つ折りにすると、布切れに薄く広がります。

 

 

アルボン

 

 

 

 

 

彫り物の目の間に研磨剤が残ってしまう場合は、すき間を歯ブラシ等で磨いてください。

 

 

 

 

みがき終えたら細かい汚れが残っていないか最終チェックを行い(特に彫の隙間)、最後に乾いたタオルか新聞紙でしっかりと拭き上げてください。

 

 

 

 

 

見違えるようにきれいになりましたね!