戸帳
戸帳
お寺や仏壇を飾る荘厳具には様々なものがありますが、お寺の内陣や仏壇のご本尊様の前に門のような形をした布が掛かっているのを見たことがあるでしょうか?
これは戸帳(とちょう)と呼ばれており、斗(ます)を伏せたような形をしていることが由来で、斗帳とも書きます。戸帳の多くは金襴(きんらん)や錦などの美しい布で作られており、仏さまの世界とこの世を隔てるために飾られています。
戸帳は、つけることによって仏さまに敬意を表しており、いわば御簾(みす)と同じようなものです。
歴史モノのテレビや映画で、帝(みかど)と謁見する際、直接顔を合わせずにすだれ越しに会話をするシーンを見たことがありませんか?このように昔から尊いものには直接触れないことで敬意を示すという考え方があり、戸帳はその向こう側にいる仏さまに対して敬意を示しています。