四国八十八箇所巡り

四国八十八箇所

 

四国八十八箇所(しこくはちじゅうはっかしょ)とは、四国にある弘法大師・空海にゆかりのある八十八箇所の寺院の総称で、四国霊場の最も代表的な札所で、単に八十八箇所ともよばれ、お四国さん、本四国ともいわれています。

四国八十八箇所を巡拝することを四国八十八ヶ所霊場会では四国巡礼といい、四国遍路、四国巡拝などとも呼ばれています。

 

 

お遍路さん

 

全国には様々な霊場巡りがありますが、その中でも四国八十八カ所を巡ることを遍路(へんろ)といい、巡礼者は「お遍路さん」と呼ばれています。また、霊場に参拝することを「打つ」といい、1度の巡礼で八十八箇所すべてを巡ることを「通し打ち」、何回かに分けて巡ることを「区切り打ち」といいます。

また、順番通り巡ることを「順打ち」、逆から巡るのを「逆打ち」といいます。

 

距離と日数

 

ちなみに「通し打ち」で巡礼した場合の全長は1100km~1400kmといわれており、距離に幅があるのは遍路道が1通りだけでなく、通った道で距離が変わるからです。

一般的には、徒歩の場合は40日程度、自動車や団体バスの場合、8日から11日程度で1巡できます。

最近は高速道路が整備されたことにより、5日で1巡する人もいるそうです。

 

 

参拝の際の装束、持ち物

 

白衣(びゃくえ)

 

お遍路さんが着ている白い着衣のことです。背中に弘法大師を表す梵字と「南無大師遍照金剛」と書かれたものが一般的で、巡礼の途中でいつ行き倒れてもいいように死装束としてとらえる説と、巡礼といえども修行中なので清浄な着衣として白を身につけるという説、どんな身分でも仏さまの前では平等なのでみんな白衣を着るという説がありますが、どれが正解かははっきりしておりません。

 

 

金剛杖(こんごうづえ)

 

木製の杖で、弘法大師が修行中に持っていた杖に由来します。巡礼者が持つ金剛杖は弘法大師の化身ともいわれるほどで、宿に着いたらまず、杖の足先を清水で洗い、部屋では上座や床の間に置くなどの扱いをするのがならわしです。巡礼中、行き倒れた巡礼者の卒塔婆として使用されたといわれています。

 

 

菅笠(すげがさ)

 

日光や風雨から頭部を守るために使用します。笠には「迷故三界城」「悟故十方空」「本来無東西」「何処有南北」と「同行二人」と梵字が書かれています。梵字が前になるようにかぶるのが一般的で、遍路笠を身につけた巡礼者は、境内で笠を脱がないでお参りすることが許されています。

 

 

 

 

納札(おさめふだ)

 

札所などにお参りし、納経した証として納める札のことです。般若心経を写経したものを納める(経を納める)のが正式とされていますが、読経したのちに自分の名前を書いた納札を納めてもかまいません。

これは四国巡礼における伝説上の人物である衛門三郎(えもんざぶろう)が、自分自身が弘法大師を探しているということを知らせるために(弘法大師が立ち寄りそうな)お寺にお札を打ちつけてまわったのが始まりとされています。このことが、遍路自体や、札所に参拝したことを「打つ」という由来となっています。

なお現在では、お寺の建築物の損傷を避け、持ち運びの利便性を考え、紙製の納札を納札箱に入れることになっています。

 

 

 

参拝の方法

 

お遍路さんは札所に到着すると、まず山門で一礼します。門をくぐり手水舎でお清めをし、鐘楼堂にて鐘を一回突きます(お寺によって禁止されている、また参拝後には突かない)。そして、本堂において燈明・線香・賽銭奉納をし納札(おさめふだ)を納めます。この時、写経を納めることもあります。続いて般若心経・本尊真言・大師宝号などの読経を行い、祈願します。次は大師堂に向い燈明・線香・賽銭奉納をし納札を納め、般若心経・大師宝号などの読経を行い、祈願します。

その後、境内にある納経所(のうきょうじょ)にて、持ってきた納経帳や掛軸や白衣に、札番印、宝印、寺号印の3種類の朱印と、寺の名前やご本尊さまの名前、ご本尊さまを表す梵字の種字などを墨で書いてもらい、各寺のご本尊さまが描かれた御影(おみえ)をいただき、納経料を支払います。この一連の所作を納経といいます。

 

 

 

 

八十八箇所すべてを廻りきると「結願」(けちがん、結願成就)となります。