各宗派の本山 ~浄土宗~
浄土宗の総本山と七大本山
浄土宗には、総本山と七つの大本山があります。
総本山・知恩院(ちおんいん)
知恩院は、京都市東山区にある浄土宗の総本山で、正式名称を華頂山知恩教院大谷寺(かちょうざん ちおんきょういん おおたにでら)といい、本尊は本堂にある法然上人像と阿弥陀堂の阿弥陀如来です。
知恩院は、法然上人が半生を過ごし、亡くなられたゆかりの地に建てられた寺院で、現在のような大規模な伽藍が建立されたのは、江戸時代以降になります。徳川将軍家から庶民まで広く信仰を集め、今も京都の人々からは親しみを込めて「ちおいんさん」と呼ばれています。
現存する日本のお寺の三門(山門)で最大の二階二重門と、大鐘楼にある大きな釣り鐘は年末の除夜の鐘をつくテレビ中継などでよく取り上げられています。
七大本山
増上寺(ぞうじょうじ)
増上寺は、正式名称を三縁山 広度院 増上寺といい、東京港区にあり、真向かいに東京タワーが立っています。もともとは真言宗のお寺でしたが、浄土宗の第八祖である聖聡上人(しょうそうしょうにん)の時に浄土宗に改宗し、増上寺となりました。
徳川家の菩提寺であり、徳川将軍15代のうち、6人が葬られています。
光明寺(こうみょうじ)
神奈川県鎌倉市にあり、正式名称は天照山蓮華院光明寺といいます。お寺によると浄土宗の三祖である然阿上人によって開山されたと言われているそうです。鶴岡八幡宮から移築したとされる立派な山門があります。
善光寺大本願(ぜんこうじだいほんがん)
長野市にある県内有数の観光スポットで、正式名称は定額山善光寺といいます。運営は浄土宗大本山大本願と天台宗の天台宗大本山大勧進の共同で行われており、両方の住職が善光寺住職となっています。
金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)
京都市左京区にあり、山号は紫雲山といいます。境内に皇族が茶の湯に使ったといわれる黒谷明星水という名水があります。
知恩寺(ちおんじ)
京都市左京区にあり正式名称は長徳山功徳院知恩寺といいます。百万遍知恩寺とも呼ばれています。百万遍の名前が付いた由来は、空円上人が念仏百万遍を行って疫病を鎮めたからといわれています。
清浄華院(しょうじょうけいん)
京都市上京区にあり、正式名称は大本山清浄華院。京都四箇本山の一つです。
善導寺(ぜんどうじ)
福岡県久留米市にある、九州で唯一の浄土宗の大本山で、正式名称は井上山光明院善導寺といいます。入母屋本瓦葺きの本堂は木造の仏堂として九州最大級を誇ります。