仏舎利塔
仏舎利(ぶっしゃり)とは入滅されたお釈迦さまが火葬された際の遺骨のことです。仏舎利は信仰の対象とされ、お釈迦さまの入滅後、仏舎利の所有を巡って争いが発生しましたが、釈迦の死から200年後、敬虔な仏教徒だったアショーカ王はインド統一を果たしたのちに、仏舎利を細かく分けて周辺国も含めて8万余りの寺院に配布され、仏舎利はそれぞれの寺院のストゥーパ(仏塔)に納められました。
仏舎利塔(ぶっしゃりとう)とは、仏舎利を納めるための仏塔のことで、ストゥーパの様式をそのまま模して建てられたとされています。ドーム状の構造物の上に相輪をもち、日本では近代になって建てられたものも多くあります。また本来の舎利を祀るだけでなく、太平洋戦争でなくなった戦没者を祀る仏舎利塔もあります。
古くは法隆寺や四天王寺などの五重塔や三重塔が仏舎利塔として建てられたと言われています。
法隆寺五重塔
ちなみに現在、日本の仏舎利塔では、全国で三箇所のみ仏舎利が収められていますが、ほとんどの仏舎利塔では経典や宝物が収められています。