仏教の歴史1(お釈迦様の誕生)

釈迦の誕生

 

今から約2500年前の紀元前4~5世紀ごろ、インド・ネパールの国境付近にシャカ族の王子としてお釈迦様(本名:ゴータマ=シッダールタ)は生まれました。お釈迦様は生まれてすぐに7歩歩いて右手で天を指し、左手で地を指して「天上天下唯我独尊」と言われたという伝説があります。これは「この世に自分という存在は代わりがいなく一人しかいないから尊い」ということで決して「傍若無人」といった意味ではなく、人間の命の尊さは地位や名誉で判断されることなくそのままで尊いというのが本来の意味です。

 

29歳で出家

 

お釈迦様は王子として何不自由なく暮らし、17歳の時に結婚し息子をもうけますが、29歳の時に妻子をおいて出家しました。

人間はどんなに裕福でも「生・老・病・死」の四苦からは逃れられない。世俗の汚れから離れて清らかな心になりたい、幼いころからそんな思いをずっと抱いていたようです。

 

35歳で悟りを得る

 

難行苦行の末、35歳の時に悟りを得てブッダ(仏陀)となります。ブッダとは「目覚めた人、悟りを得た人」という意味で、誰でも悟りを得ればブッダになれると自分が悟ったことを人々に説いてまわるようになりました。これが仏教の始まりとされています。

以後、80歳で亡くなるまで45年にわたり、各地を行脚しながら人々に説法をしてまわりました。

 

釈迦の教えでとても大切な事は「中道(ちゅうどう)」です。

中道とは「何事も両極端はよくない、ほどほどがよい」ということです。

出家したお釈迦様は想像を絶する苦行を行う中で、極端な偏りは何も生み出さない、真理をえるためにはその中程を貫く過程が大事だと気づき、悟りを得たとされています。

 

何事もほどほどに・・現代においてもよく耳にする言葉がお釈迦様の教えだったとは、語り継がれた言葉の重みを感じます。

 

(つづく)