想いあふれる仏壇づくり

寺院仏具の修復から始まり、今に至る。

滝本仏光堂のお仏壇作りは寺院仏具の修復から始まり、現在に至っています。

数多くの修復を行う中で、滝本仏光堂は寺院仏具の修復は仏具に光を取り戻すとともに、人々の心の支えを守ることだと考えています。

その考えを基本として、すべてのお仏壇、お仏具に滝本仏光堂が持つ技術と想いのすべてを注ぎ込んで取り組ませていただいております。

寺院仏具の修復から始まり、今に至る。

それぞれの職人が受け継がれた伝統の中でこだわりをもって仏壇を作る

「蒔絵」

蒔絵は漆芸可飾法の代表的な技法です。絵漆で文様を描き、その上から粉を蒔く「平蒔絵」や文様部分を肉上げした上に平蒔絵を施す「高蒔絵」などがあります。鮑貝や夜光貝など、青貝の真珠のような光沢の部分を文様の形に切り透かしてはめ込む「螺鈿」も漆芸技法のひとつです。漆は埃を嫌うため何層も丹念に塗り重ね仕上げられたあとは「室(むろ)」と呼ばれる乾燥室に収めてじっくりと乾燥を待ちます。蒔絵で意匠を凝らす仕上げの時、経験に裏打ちされた職人の勘と技術にお仏壇の出来はゆだねられます。

「蒔絵」

「錺金具」

漆黒のお仏壇をよりきらびやかに装い、かつ堅牢に補強するために用いられるのが「錺(かざり)金具」です。銅や真鍮、鉄などの金属素材が使われ、お仏壇には通常200以上もの錺金具が取り付けられています。伝統的に鋼鉄製の鑿(のみ)やタガネを使用して金属に細密な文様を彫り出し、蓮や竜などの柄を立体的に表現します。錺師の仕事は多岐にわたり、錺金具だけでなくお仏像の光背や持物、お仏具の制作にまで及びます。補強と装飾を担う錺金具が、お仏壇の格や表情を決定すると言っても過言ではございません。

「錺金具」

「金箔押し」

伝統的な金仏壇を作るためにはいくつもの工程において歴史の中で育まれてきた確かな職人の技が必要となります。その中でも重要な工程の一つである「金箔押し」はわずか1ミクロン~2ミクロンの薄さに打ち延ばした金箔を、空気の揺れが起きない特殊な構造の部屋で一枚一枚貼り付けていきます。木部と金箔を接着するのは漆です。低調に塗られた漆の乾燥状態を見極め、その絵にそっと箔をのせます。すると金箔が漆に吸い付くように密着し、深みを帯びた輝きを放ちます。

「金箔押し」

見えない部分へのこだわり

お仏壇は見えないところ、隠れたところにこそ匠の粋な仕事と技があり、その制作には300以上もの工程があります。例えば「ほぞ」というつなぎを指し合わせ、組手を見せずにくみ上げていくこともその一つです。滝本仏光堂はできるだけ長い年月祀っていただけるようなお仏壇作りを信条として、目には見えない部分にもこだわりをもってお仏壇を作っています。

見えない部分へのこだわり

歴史の中で培われてきた匠の技が融合して荘厳な世界をなす

「木地師」「宮殿師」「彫刻師」「塗師」「金箔押師」「錺金具師」「蒔絵師」
通称「七職」と呼ばれる技を極めた職人たちは、お仏壇という舞台の上でそれぞれの技と智慧を余すころなく披露します。

「木地師」(きじし)

仏具に最適な木材を使用して、仏具の形を作っていく職人を木地師(きじし)と呼びます。

「木地師」(きじし)

「宮殿師」

お寺の本堂の中で一番大事な所である仏様を御安置する場所を作っている職人を宮殿師と呼びます。円柱状の柱抜きから瓦にいたるまでの、たくさんの小さい木の部品を作り、それらを組んで接着剤でつなぎ作り上げていきます。

「宮殿師」

「彫刻師」

木地師が仕上げたものに動物や花の彫刻を彫っていく職人を彫刻師と呼びます。彫刻師の仕事次第で仏壇の表情や印象が決まります。微妙な強弱で表情や印象が大きく変わってしまうので経験やセンスが必要になる仕事です。

「彫刻師」

「塗師」(ぬし)

木地師が仕上げた物井漆を何重にも塗り上げる職人を塗師(ぬし)と呼びます。下地塗りをした上に少しの埃も許さないように塗り重ねていく細かい配慮と根気が必要な仕事です。

「塗師」(ぬし)

「金箔押師」

塗師で仕上がったものに一枚一枚金箔を押していく仕事をするのが金箔押師と呼ばれる職人です。塗りあがった各部位に金箔を貼り付けることを金箔を押すといいます。金箔を押すことでお仏壇に必要な高貴な輝きを醸し出すことができます。

「金箔押師」

「錺金具師」

お仏壇に装飾としてつけられる金具を作る職人を錺金具師と呼びます。銅や地金にタガネを使用して、細かい模様などを手彫していく仕事になります。

「錺金具師」

「蒔絵師」

漆地の上に、花鳥や人物などの絵文様を描いて飾っていく職人を蒔絵師(まきえし)と呼びます。その上から蒔絵専用の筆で模様の仕上げの線を書き添えていきます。非常に筆先が細かいため繊細な仕事になります。

「蒔絵師」