風鐸

風鐸

 

風鐸(ふうたく)とは、お寺のお堂の軒の四方や塔の相輪に吊り下げられた青銅製の鈴のようなもので、強い風が吹くとカランカランと鈍い音がします。昔、強い風は流行病や悪い神をも運んでくると考えられていたことから、邪気除けの意味でつけられており、この音が聞こえる範囲は聖域であるので災いが起こらないといわれています。

 

 

風鐸はもともと、中国で唐の時代に竹林の風鐸を吊り下げて物事の吉兆を占う「占風鐸」というものがあり、それが日本に仏教建築文化とともに伝来したと考えられています。平安時代後期には貴族の屋敷でも軒先に魔除けとして風鐸を吊るしたそうで、やがて気温湿度が上がり菌が繁殖して病が広がりやすい暑くなる時期の魔除け道具、暑気払いの器具「風鈴」として庶民にも定着していきました。

 

 

日本の夏の風物詩のひとつである風鈴。軒先でチリンと涼しげな音を聞くと不思議と暑さがやわらぐ気がしますが、魔除け・暑気払いの仏具である風鐸が原型だったと聞くとちょっと納得ですね。