浄土真宗 仏壇に樒をお供えする理由

仏壇があるご家庭では、お仏前にご飯とお水をお供えするということが当たり前のように行われていますが、浄土真宗では仏壇にお水(お茶)をお供えしません。亡くなられた人はみな仏さまになり、極楽浄土へ行かれます。極楽浄土には八功徳水(はっくどくすいといわれる)大変良い水があふれており、飲み水に困らないとされているからです。

 

 

華瓶に樒を挿す理由

 

浄土真宗ではお水をお供えする代わりに、華瓶(けびょう)に水を入れて樒(しきみ)を挿して飾りますが、樒を挿す理由はいったいなぜでしょう?

樒とはマツブサ科シキミ属に分類される常緑高木で中国・韓国・日本に分布しており、非常に毒性の高い植物です。

 

 

樒には香りがありお香の原料として使用されており、「仏前草」とも呼ばれています。

樒は白檀などの香木がほとんどない日本において香木の代用品として使用されてきました。

また独特の香りと強い毒性を持つことから邪気を払う力があるとされてお清めとして使用されてきました。

つまり華瓶に樒を挿すことで清らかな水=八功徳水を表している、というわけです。

 

なお、樒は葬儀社や仏具店・生花店・ホームセンターなどで取り扱っていますが、お求めの際には電話等で事前に確認した方がよいでしょう。