日本の仏像様式の変遷2

その1からの続き

 

平安時代前期

平安時代の前期は文化史的には貞観時代と呼ばれ、平安遷都(794年)から遣唐使廃止(894年)のことを言います。

この時代は弘法大師・空海や伝教大師・最澄が活躍し、密教が急速に浸透しました。

仏像にも大きな影響を与えます。貞観時代の仏像は木彫りのものが多く、一木造りで迫力ある肉体表現が特徴です。また密教の影響で明王像が多く造られました。

この時代の主な仏像は、東寺五大明王像、室生寺釈迦如来像・文殊菩薩増・新薬師寺薬師如来像などがあります。

 

東寺 五大明王像

 

室生寺 釈迦如来像

平安時代中後期

平安中期は藤原氏が栄華を極め、摂関政治を進めて絶大な権力を持ちました。文化面では遣唐使が廃止されたことにより、大陸からの文化が途絶え、日本特有の文化が形成され、貴族中心の国風文化が隆盛となります。ひらがなはこの時期に誕生し、源氏物語や枕草子などもこの時期に書かれました。また住居は、貴族の間で寝殿造が流行し平等院鳳凰堂などの豪華な建物が建てられました。

平等院鳳凰堂

このころから末法思想や浄土信仰が広まり、それに伴って阿弥陀如来像を中心とした造仏がなされます。

造仏には定朝(じょうちょう)とその弟子が大活躍しました。定朝は寄木造技法の完成者とされており、それまでの一本造

から2本以上の材を使って組み立てられた仏像は、一本造特有の重みや物質感をなくした柔和で優美な表現が特徴です。

また、このころは法華経信仰も広まり、それに伴って普賢菩薩像が多く造られました。

この頃の代表的な仏像は、平等院鳳凰堂の阿弥陀如来像・浄瑠璃寺九体阿弥陀如来像・三千院阿弥陀三尊像などです。

 

 

平等院鳳凰堂 阿弥陀如来像

浄瑠璃寺 九体阿弥陀如来像

 

つづく