懐石~身近な仏教用語~

懐石

 

和食の代表的なものに懐石料理があります。字面だけを見ると「懐(ふところ)に石」って、石ころでも食べさせるの?って思ってしまう人がいてもおかしくなさそうですが、実はこの「懐石」という言葉は、仏教に由来しています。

 

インドにおける初期の仏教では非時食(ひじじき)という戒律で、修行僧は正午以降の食事は禁止されていました。

そこで修行僧は寒さや飢えを防ぐために、石をあたためてお腹に抱いていたそうです。これを「薬石(やくせき)」といい、今でいう湯たんぽや懐炉(カイロ)のようなものでした。

 

 

 

しかし薬石では暖はとれますが、空腹は満たされません。そこで禅宗寺院では、夕方に粥などを食すようになり、これを薬石と呼ぶようになりました。

これが転じて温めた石を懐に入れて腹を温める程度の料理、という意味で懐石料理と呼ばれるようになりました。

現在もその名残で、お寺で修行する人たちの夕食のことを薬石と呼んでいます。